霊界とはどんなところか
人間は死後どうなるのか、ということは宗教の大きなテーマだと思います。
家庭連合の教義でも、死後の世界については解説していて、それは地上世界と同様に存在する霊的世界だとしています。これを、霊界と言っています。
霊界はどういう世界なのか、統一原理には、こう書いてあります。
「被造世界には、人間の体のような有形実体世界ばかりでなく、その主体たる人間の心のような無形実体世界もまたあるのである。これを無形実体世界というのは、我々の生理的な五官では、それを感覚することができず、霊的五官だけでしか感覚することができないからである。霊的体験によれば、この無形世界は、霊的な五官により、有形世界と全く同じく感覚できる実在世界なので、この有形、無形の二つの実体世界を総合したものを、我々は天宙と呼ぶ。」(創造原理第6節(1) 無形実体世界と有形実体世界)
難しい表現で、これではよくわかりません。
私はあまり霊性がないから、実体験としてはよくわかりません。しかし、私なりに、考えている霊界とはとても単純です。即ち、「自分が思っていることがそのまま他の人にわかってしまう世界」です。
統一原理に書かれている通り、ここに天国とか地獄とかいう概念はありません。霊界では霊的な五感しかないから、思っていることを隠すことができません。表面を取りつくろうことができないから、善なる人、悪なる人は、そのまま表に現れます。
類は友を呼ぶと言います。善なる人は自然と集まります。人を愛する人が集まれば、お互いに愛するようなコミュニティができあがり、そういうところに神様は来られます。これが、天国ではないでしょうか。
人を憎む人が集まれば、お互いに憎みあうコミュニティができてしまい、そこには神様が来ることができません。それは地獄と言えるのでしょう。
つまり、天国とか地獄は、もともとあるのではなくて、自然と作られるものなのです。閻魔大王が天上にいて、「お前は天国」「お前は地獄」などと、裁くものではありません。地上で培った品性によって、自然にできた集まりが、その人にとって天国だったり地獄だったりするのです。
問題は、人を愛する訓練は、地上でしかできないことです。だから、生きている間に、具体的に人を愛することが大切だし、人に対する憎しみは、愛に昇華させることが大切なわけです。
家庭連合は信者に対して、「献金しないと地獄に落ちる」と脅して献金させている、などと報道されていますが、それは事実と異なります。私もそんなこと言われたことがないし、おそらく他の方もそうではないでしょうか。霊界に対するこのような考え方によれば、「地獄に落ちる」ということにはなりません。天国を作るのも地獄を作るのも、自分の心次第なのです。