宗教の児童虐待等Q&Aと宗教ヘイトクライム

日本政府の「宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A」に対する国連人権理事会からの通告書では、日本における宗教ヘイトクライムのリスクを指摘しました。

それに対して日本政府は、Q&Aガイドラインが宗教ヘイトクレームに利用されたとしても、日本政府には責任がないと回答しています。

【通告書の指摘】

「Q&A ガイドラインの発表は、エホバの証⼈を含む宗教的または信仰的少数派を児童虐待で有罪と⾮難するメディアの報道をもたらしました。エホバの証⼈は、2023年のヘイトクライムが、⽇本での宗教や信仰の⾃由の権利の⾏使にほとんど⼲渉していないと報告した過去 6 年間と⽐較して、638%増加したと報告しています。報告された事件には、2024 年2 ⽉11⽇に千葉県⼋千代市で発⽣した⾼齢のエホバの証⼈への暴⼒的な⾝体的暴⾏が含まれていました。同⽉、エホバの証⼈の⼤量殺戮を脅迫する⼿紙が、神⼾市兵庫区と北区の礼拝所に残されました。これらの懸念される展開は、オンラインおよびオフラインのヘイトスピーチと差別と暴⼒の扇動の増加を伴い、その⼀部は Q&A ガイドラインに直接⾔及しました。」
原文:
https://spcommreports.ohchr.org/TMResultsBase/DownLoadPublicCommunicationFile?gId=28968
和訳(小笠原):
https://www.ogasawara-church.jp/wp-content/uploads/2024/07/0617eb657df63b57f4c170567cfa3745.pdf

【日本政府の回答】
「7. 通告書では、Q&A ガイドラインと関連する調査研究の発表が、ヘイトクライムやその他の問題の増加につながったようだと主張しています。エホバの証⼈の代表はまた、最近の対話で、メンバーに対して暴⼒⾏為を犯した攻撃者が攻撃の正当化として Q&Aを引⽤したことを⽇本政府に通知しました。仮に Q&A が暴⼒的な攻撃を正当化するために使われたとしても、これは⽇本政府の政策の意図とは全く関係がなく、⾮常に遺憾です。」
原文:
https://spcommreports.ohchr.org/TMResultsBase/DownLoadFile?gId=38493
和訳(小笠原):
https://www.ogasawara-church.jp/wp-content/uploads/2024/07/6194216ca0e3dcbc22e0abb803c1d680.pdf

この点について、信教の自由に関するサイト Bitter Winterが、「日本のエホバの証人に対するヘイトクライムの急増:誰の責任か」というタイトルで記事を書いています。
https://bitterwinter.org/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ae%e3%82%a8%e3%83%9b%e3%83%90%e3%81%ae%e8%a8%bc%e4%ba%ba%e3%81%ab%e5%af%be%e3%81%99%e3%82%8b%e3%83%98%e3%82%a4%e3%83%88%e3%82%af%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%a0%e3%81%ae%e6%80%a5/

これの記事を引用して、岩本龍弘氏もnoteに記事に書いています。
https://note.com/tatsuhiroiwamoto/n/n5c9833f607c6

Q&Aガイドラインは、宗教的な家庭教育に対して、国家が過度に干渉するものです。それが宗教に対して偏見を生み、新たな差別を生むリスクがあることに、日本政府は気が付くべきだと思います。