米国務省 2023年国際宗教自由報告書:日本

アメリカの国務省は、6月28日、2023年国際宗教自由報告書を発表しました。
https://www.state.gov/reports/2023-report-on-international-religious-freedom/japan

冒頭の「エグゼクティブサマリー」で、家庭連合に対する解散命令請求について、2点触れています。以下、引用します。

「10月13日、東京地方裁判所は、文部科学省(MEXT)からの、旧称「世界平和統一家庭連合(家庭連合)」の解散命令請求を受理した。これは、従来は刑法違反があった場合にのみ取り消しが命じられていたのに対し、今回の解散命令は民法違反を根拠に下されたもので、慣例からの逸脱となった。森山正人文部科学大臣は、同教会は1980年以降、宗教団体としての地位を利用して、信者に対し、公共の福祉を害し本来の目的から逸脱する寄付や高額な購入を奨励し、組織的に民法に違反していたと述べた。同大臣は、同教会は解散の法定条件を満たしており、文部科学省は同教会の行為が「法律上、著しく公共の福祉を害することが明らか」で「法律に規定された宗教団体の目的から著しく逸脱」していると判断したと述べた。教会側は10月16日、文部科学省が示した解散理由は法令に違反していると反論した。」

「家族連合会のメンバーは、2022年の安倍晋三前首相暗殺以来、メディアの「偏った」あるいは「敵対的な」報道や、全国霊感商法対策弁護士会ネットワークからの圧力により、信仰を公然と表現することができなかったと述べた。メンバーはまた、市やイベント側が教会と関わりを持ちたくないという理由で、金銭的な寄付が拒否されたり、地域の文化イベントへの参加を拒否されたりした事例も報告した。」

セクションⅡ「政府による宗教の自由の尊重の状況」では、詳細欄に政府の見解を書いています。その一方で、家庭連合がそれに対して反対の意を述べていることも、書いています。さらには、中山達樹弁護士の見解も述べています。これは、日本の報道機関が伝えていない内容です。以下の通りです。

「国際弁護士の中山達樹氏は9月の小冊子で、岸田首相率いる日本政府は1951年の宗教法人法を遵守しておらず、「政治を行っている」ようだと述べた。中山氏は、他に解散した宗教団体は2つだけであり、いずれも指導者の有罪判決を受けてのことであり、他のいくつかの団体はそのような有罪判決後も存続していると指摘した。」

セクションⅢ「宗教の自由に対する社会の尊重の状況」では、家庭連合のメンバーが、メディア報道と全国弁連、地方自治体から、抑圧を受けていることを記載しています。以下の通りです。

「家庭連合のメンバーは、2022年の安倍前首相の暗殺以来、彼らが「偏った」または「敵対的な」メディア報道と全国霊感商法対策弁護士会ネットワークからの圧力と表現するもののために、自分たちの宗教を公に表現できないと述べた。メンバーは、市職員が教会からの金銭的寄付を断ったことや、ある市が、その組織と関わりを持ちたくないという理由で、メンバーの少なくとも1つの地域文化イベントへの参加を拒否したことなどの例を挙げ、疎外されることへの不安から教会への所属を明らかにすることを恐れていると述べた。メンバーは、裁判所が教会の「解散」または法人格の剥奪を決定した場合、世間がこの決定をその組織が「悪い」ことの確証と見なす可能性があるため、宗教を表明することへの躊躇が悪化するのではないかと懸念を表明した。教会の解散の決定が下された場合、教会は控訴する意向を示しており、その手続きには数年かかる可能性があると予想している。」

セクションIV「米国政府の政策と関与」では、米国政府が、宗教の自由の重要性を強調しています。下記の通りです。

「大使館は、家庭連合と日本のエホバの証人をめぐる問題を注意深く監視し、国会議員、政府規制当局、教会の慣行の影響を受ける人々、教会の代表者と連絡を取り続け、あらゆる場合に宗教の自由の重要性を強調した。」

米国務省の報告書では、昨年も家庭連合に対するマスコミや政府の対応について、詳細に報告しました。
家庭連合の他にも、中国のウイグル族イスラム教徒への迫害にも触れています。宗教の自由に対する侵害のケースとして、取り上げているわけです。
海外から、このような視点で見られていることを、岸田政権は認識するべきと思います。