NHKドラマ 「危険なささやき」に関する浜田聡事務所からの質問への回答
NHKが2023年9月23日に放送した、「危険なささやき」というドラマがあります。家庭連合から脱会した信者をモデルとして、宗教はマインドコントロールであると解説する、宗教ヘイト番組です。これについて、私は以前下記ブログを書きました。
https://www.ogasawara-church.jp/blog/20230924/2221/
これについて、浜田聡事務所が2024年3月6日に質問を行い、3月18日に回答が来ましたが、ほぼ無回答でした。
そこで浜田聡事務所は、2024年4月1日に浜田聡事務所が再質問を行い、その回答が4月11日に来ました。
質問内容は、こちらです。
https://www.ogasawara-church.jp/wp-content/uploads/2024/04/ce3b07803391539a2b62e976b08e0374.pdf
それに対する、NHKの回答はこちらです。
https://www.ogasawara-church.jp/wp-content/uploads/2024/04/3cf0b1f1061a2cf5597660f697f040c6.pdf
NHKの回答は、質問とずれているか、無回答です。
例えば、質問1-1で、「この番組の目的が、⼼のメカニズムの解明ということであれば、ことさらに統一教会の名前を出さなくてもよいのではないか?」と聞いているのに、「これは2013年10月の札幌高裁の裁判記録に基づいています」と回答しています。聞いていることに答えていません。
さらに、質問2-1で、「札幌高裁の判例は、個別事案であって、統一教会が組織的に行ったというものではないと判示されているが、認識しているか」、質問6-1で、「札幌高裁の原告は、拉致監禁被害者であることが判明しているが、認識しているか」などの質問に対して、「番組制作の過程は回答しません」としています。
さらに、質問8-1で、「この番組は当初、悪魔のささやき、となっており、家庭連合の反論を受けてタイトル変更したが、謝罪はしないのか」について、「NHKの放送ガイドラインに則って制作しました」としています。
NHKの番組制作方針は、宗教ヘイトが疑われるものであり、それを指摘した質問に対して、全く答えていないことは、公共放送として大問題です。
尚、この質問案は、Xで活躍中のDeep Seaさんが作成し、浜田聡事務所にて質問されたものです。Deep Seaさんの分析力、浜田聡事務所の行動力に敬意を表します。
質問文の全文を、下記にテキストで掲載します。
====================================================================
旧統一教会(以下では「世界平和統一家庭連合」を「旧統一教会」と表記します)をテーマにして作成された番組「危険なささやき」に関連して、以下質問いたします。
なお、以下の各質問への回答にあたっては、回答内容の曖昧・誤解を避けるべく、それぞれ対応する各質問の番号を付した上で、一括での回答を控え、個別に回答なされますよう申し添えます。
前提事実1
令和6年3月6日浜田聡事務所からなされた質問(以下「前回質問」とします)に対して、同月18日、NHK経営企画局は以下のように回答しています。 「『危険なささやき』は、なぜ、人は違法な勧誘に心を奪われるのか、危険なささやきに冷静さを失うのか、その時の心のメカニズムを、実際のある裁判の記録をもとに再現劇と心理学分析から解き明かそうとしたものです。」 「また、番組はNHKの放送ガイドラインに基づいて制作しており、教団の伝道・献金活動一般や、教義そのものの是非を問うものではなく、信教の自由を否定するものではありません。」 上記回答内容に関して、「心のメカニズムの解明」をする番組である「危険なささやき」において、敢えて旧統一教会を名指しした上で当該番組を制作・放送したこと(以下「本件行為①」とします)は、名誉毀損行為として民法上の不法行為に該当しうるほか、国際人権B規約第20条第2項「差別や敵意をもたらす宗教的憎悪の唱道」(宗教的ヘイトスピーチ)、NHK国内番組基準第1章第1項第2号「個人や団体の名誉を傷つけたり、信用をそこなうような放送はしない。」、第3項「宗教に関する放送は、信仰の自由を尊重し、公正に取り扱う。」、NHK放送ガイドライン2020(7頁)「…宗教…を差別的に扱ってはならない。」、及び同ガイドライン(8頁)「放送で宗教上の信仰、教義、宗派を取り上げる際には、正確かつ偏りなく伝えなければならない」との該当・抵触が問題となります。 |
質問1-1
前提事実1によれば、番組「危険なささやき」は、心のメカニズムの解明を目的とする番組とのことですが、心のメカニズムの解明の観点からは宗教団体名の明示は一切不要であるはずです。それにも拘らず、貴協会が敢えて「旧統一教会」と名指しの上、しかも約30年前の事案を殊更に取り上げ、番組を制作・放送したのはなぜでしょうか。
質問1-2
貴協会は、本件行為①につき、上記各法令・規約・基準・ガイドラインに対する抵触は一切ないという認識でしょうか。
質問1-3
また本件行為①について、各法令・規約・基準・ガイドラインに対する抵触はないとの認識の場合、かかる貴協会の認識を根拠づける具体的事実(特に、「正確かつ偏りなく」の箇所との抵触がないという認識を根拠づける具体的事実)を提示できますでしょうか。
前提事実2
前回質問に対して、令和6年3月18日、NHK経営企画局は以下のように回答しています。 「裁判例として、2013年10月に札幌高裁で確定した旧統一教会をめぐる裁判記録に基づいて伝えました。この裁判では、旧統一教会による、宗教性や入信後の実践内容を秘匿して行われた伝道活動が不正なものであり、経済的利益を獲得する目的で行われたと、その違法性が確定しています。」 「また、番組はNHKの放送ガイドラインに基づいて制作しており、教団の伝道・献金活動一般や、教義そのものの是非を問うものではなく、信教の自由を否定するものではありません。」 しかし、他方で、上記札幌高裁判決(及びその原審である札幌地裁判決)の認定は当該個別事例に対する事例判断であり、到底一般化できない判決であることが後の裁判例で明らかとなっています。その一例として最近の裁判例である令和3年3月26日東京地裁判決では、以下のように判示しています。 「当該裁判例(※NHKが根拠とした札幌高裁判決を含む)はその訴訟における証拠と弁論の全趣旨に基づいて事実認定をしているものであるし,本件と当該裁判例とはその時期,場所,勧誘行為者等を異にしているから,当該裁判例における事実認定をもって,被告信者らの原告らに対する勧誘行為の目的等を認定することはもちろん,当該裁判例の認定事実と同様の事実が本件においても存在したと認定することもできない。」(参照:https://blog.goo.ne.jp/05tatsu/e/7994c67d38042bff04e7a4fbaab8c68b) 以上のように札幌高裁判決の認定が、当該個別事例に対する事例判断であり、到底一般化できない判決であることを明白に判示しています。 しかし、近年のこのような判決に反して、事例判断であり一般化できない一部の旧統一教会敗訴の事実認定のみに着目して番組を制作することによって、あたかも「伝道活動が不正なものであり、経済的利益を獲得する目的で行われた」との裁判所の事例判断が、旧統一教会に一般的に妥当する事実であるかのように裁判例の認定内容を歪めて放送した貴協会の番組制作・放送の姿勢(以下「本件行為②」とします)は近年の裁判所の判断とも明らかに反するものと考えられます。 このような本件行為②は、名誉毀損に当たりうるのみならず、国際人権B規約第20条第2項「差別や敵意をもたらす宗教的憎悪の唱道」(宗教的ヘイトスピーチ)、NHK国内番組基準第1章第1項第2号「個人や団体の名誉を傷つけたり、信用をそこなうような放送はしない。」、同章第3項「宗教に関する放送は、信仰の自由を尊重し、公正に取り扱う。」、NHK放送ガイドライン2020(5頁)「意見が対立して裁判…になっている問題については、できるだけ多角的に問題点を明らかにする」、同ガイドライン(7頁)「…宗教…を差別的に扱ってはならない。」、同ガイドライン(8頁)「放送で宗教上の信仰、教義、宗派を取り上げる際には、正確かつ偏りなく伝えなければならない」、及び同ガイドライン(18頁)「編集にあたっては、…事実をゆがめたり、誤解を与えたりするようなことがあってはならない。」との抵触が問題となります。 |
質問2-1
まず前提として、札幌高裁判決の認定は当該個別事例に対する事例判断である事実、および、近年の裁判例(令和3年3月26日東京地裁判決)がこのことを明示的に判断している事実につき、番組作成当時、貴協会は認識していましたか。
質問2-2
この点につき貴協会としては、本件行為②につき、各法令・規約・基準・ガイドラインとの抵触は一切ないとの認識でしょうか。
質問2-3
また本件行為②につき、各法令・規約・基準・ガイドラインとの抵触に対する抵触はないとの認識の場合、かかる貴協会の認識を根拠づける具体的事実(特に、「意見が対立して裁判…になっている問題については、できるだけ多角的に問題点を明らかにする」、「正確かつ偏りなく」の箇所との抵触がないという認識を根拠づける具体的事実)を提示できますでしょうか。
前提事実3
2013年札幌高裁判決においては、「伝道(勧誘)時」において宗教性を明かさなかった行為について不法行為と認定されています。 しかし、「伝道(勧誘)時」に宗教性を明かさなかった行為について、不法行為の成立を認めた2013年10月31日札幌高裁の判断は当該個別事例に対する事例判断であり、到底一般化できる確立した判例ではないことが札幌高裁判決以後の裁判所の判断から明らかになっています。 2014年3月24日札幌地裁判決は、次のように判示しています。 「伝道・教化活動が…信教の自由を侵害しないというためには、対象者が帰依するか否かを決断する前に、対象者に対して当該宗教の教義について、少なくともその概要を説明し、対象者が自由意思で帰依するか否かの選択をする機会を与えておくことが必要」(参照:https://blog.goo.ne.jp/05tatsu/e/baf4c74e0c2954a242285f4e90f6bce6) また、他にも2014年4月22日東京地裁判決においては、旧統一教会の伝道(勧誘)における不法行為を訴える事例において、宗教の自由の侵害や自己決定権の侵害という原告側の主張を認めない判決を出し、この判決が確定しています(参照:https://ffwpu.jp/news/4022.html)。 以上の札幌高裁判決後における複数の裁判例から明らかのように、札幌高裁判決が、「伝道(勧誘)時」に宗教性を明かさなかった行為について不法行為の成立を認めた判断は、当該個別事例に対する事例判断に過ぎず、一般化可能な確立した判例にはあたらないことは明白です。 |
質問3-1
貴協会は、「伝道(勧誘)時」に宗教性を明かさなかった行為について、不法行為の成立を認めた札幌高裁判決の判断が、当該個別事例に対する事例判断であり、一般化可能な確立した判例にはあたらない事実を、番組作成当時、認識していましたか。
質問3-2
仮に上記事実を認識していた場合、30年以上も前の事案において事例判断として行った札幌高裁判決につき、なぜ今になって殊更この判決に焦点を当て番組を制作・放送したのかにつき、当然疑問が生じることになると考えますが、そのような判断に至った理由を教えて下さい。
前提事実4
貴協会は、番組「危険なささやき」の番組紹介文においても以下のように述べています。(参照:https://www.nhk.jp/p/ts/RJ5G2XZ4N3/episode/te/L12LNYL7R6/) 「旧統一教会の元信者は、なぜ…教団の不正な資金集めに関わったのか?」 なお、この「教団の不正な資金集めに関わった」との記載は、元々「教団の資金集めに関わった」との記載であった番組紹介文に対して、後日新たに「不正な」の文言を追加したことが明らかになっています。 このような貴協会の主張に関連して、実際には札幌高裁判決で認定されたのは「信者(個人)が行った行為の不正性」であるにもかかわらず、NHKの上記番組紹介文では「教団」が不正な資金集めを行ったと誤解させる内容とすり替えられており、このようなNHKの主張内容は判決を歪めた悪質な印象操作であるとの指摘があります。 旧統一教会を名指した上で、敢えて裁判記録の事実を歪曲して、事後的に番組紹介文に「不正な」の文言を追加する貴協会の行為(以下「本件行為③」とします)は名誉毀損に当たりうるのみならず、「放送」に付随する行為として、NHK国内番組基準第1章第1項第2号「個人や団体の名誉を傷つけたり、信用をそこなうような放送はしない。」、同章第3項「宗教に関する放送は、信仰の自由を尊重し、公正に取り扱う。」、NHK放送ガイドライン2020(7頁)「…宗教…を差別的に扱ってはならない。」及び同ガイドライン(8頁)「放送で宗教上の信仰、教義、宗派を取り上げる際には、正確かつ偏りなく伝えなければならない」に抵触しないかが問題となります。 |
質問4-1
まず前提として、裁判所が「教団が不正な資金集めを行った」とは認定していない事実につき、番組作成当時、貴協会は認識していましたか。
質問4-2
仮に質問4-1の事実を認識していた場合、なぜ貴協会は判決事実と異なる内容に基づき敢えて従来の番組紹介文に「不正な」の文言を追加修正したのかについて当然疑問が生じることになると考えますが、その判断に至った理由を教えて下さい。
質問4-3
貴協会としては、本件行為③と各法令・基準・ガイドラインとの抵触は一切ないとの認識でしょうか。
質問4-4
仮に本件行為③につき、各法令・基準・ガイドラインとの抵触はないとの認識の場合、かかる貴協会の認識を根拠づける具体的事実(特に、「正確かつ偏りなく」の箇所との抵触がないという認識を根拠づける具体的事実)を提示できますでしょうか。
前提事実5
前提事実2・前提事実3・前提事実4において、貴協会が札幌高裁判決の認定事実を誤認するに至った主要な要因の1つとして、貴協会が旧統一教会側からは一切の情報提供を受けようとしない一方、旧統一教会と対立する他方当事者である元信者や全国弁連所属の弁護士(特に郷路征記弁護士)のみを情報源とし、これを鵜呑みにした行為態様(以下、「本件行為態様④」とします)が推察されます。 このような本件行為態様④は、NHK放送ガイドライン2020(8頁)「放送で宗教上の信仰、教義、宗派を取り上げる際には、正確かつ偏りなく伝えなければならない」、同ガイドライン(18頁)「番組のジャンルを問わず、構成や演出など、全般にわたって幅広く目配りするとともに、題材や出演者の選び方に偏りがないように注意する。」との規定と抵触するのではないかが問題となります。 なお、このような上記ガイドラインの各規定に基づく具体的措置の典型としては、例えば、①今後は宗教団体を名指しして取り上げるにあたっては、番組制作段階から宗教団体に対しても取材を行う、②宗教団体側の出演者を検討するなど、双方の情報源に基づき番組制作・放送を行うことで正確かつ偏りない番組作りを心掛ける、③放送内容に不正確な内容が含まれないよう、放送前に名指しする宗教団体の事前確認をとる等といった措置が想定できます。 |
質問5-1
貴協会は、本件行為態様④につき、上記ガイドラインの各規定との抵触は一切ないとの認識でしょうか。
質問5-2
仮に本件行為態様④につき、上記ガイドラインの各規定との抵触はないとの認識の場合、かかる貴教会の認識を根拠づける具体的事実(特に、「正確かつ偏りなく」、「題材や出演者の選び方に偏りがないように注意する。」の箇所との抵触がないという認識を根拠づける具体的事実)を提示できますでしょうか。
質問5-3
貴協会は、前提事実5「なお、」以下に例示した典型措置を含め、上記ガイドラインの各規定遵守のための具体的措置については、今後も一切講じる必要はないとの認識でしょうか。
なお、この質問はNHK放送ガイドライン2020の規定に対する貴協会の遵法姿勢を確認する趣旨の質問であり、貴協会番組の裁量権に干渉する趣旨は一切ないこと、及び、上記具体例で示した措置は、前提事実5に引用したNHK放送ガイドライン2020の規定から導き出される措置の典型例であり、この質問への貴協会の回答が貴協会番組の裁量権の制約することは一切ないと一般的に考えられることを予め申し添えておきます。
前提事実6
前回質問において、「番組内で紹介された方は拉致監禁されたという主張があります。このことについてNHKは認識していましたか。」という質問がされましたが、NHK経営企画局の回答の中で、これに関する言及はありませんでした。 番組内で紹介された事件の河上陽子(仮名)氏は、旧統一教会の入信に反対する者らによって監禁され強制棄教・脱会に至った元信者であり、そのことは裁判での反対尋間の記録に残っているとの旧統一教会側からの主張があります(参照:中山達櫢弁護士ブログhttps://blog.goo.ne.jp/05tatsu/e/62256237305a1845ee1cbfd4ccde6660)。旧統一教会側の主張によると、累計して4300人もの旧統一教会信者に対する「監禁・強制棄教」があったとされています(参照:https://ffwpu.jp/news/4625.html)。人が一定の区域から脱出することを不可能または著しく困難にする「監禁」は、刑法220条の監禁罪の構成要件に該当する犯罪行為です。 国連人権NGO「国境なき人権(Human Rights Without Frontiers int´l)」が発表した、日本の拉致監禁と強制棄教に関するレポート『日本:棄教を目的とした拉致と自由の剥奪』(参照:http://www.hrwf.org/images/reports/2012/1231%20report%20final%20eng.pdf)では、以下で引用するように日本で起きている棄教を目的とする拉致監禁について厳しく勧告がされています。 「拉致監禁の被害者に対して、法の下で平等に保護してこなかった事実や、加害者を罰することもないことは、日本国民に憲法が保障している権利や、日本が国家として遵守すべき世界的な人権規準への重大な違反だ」 「親や脱会説得者に対する告訴の全てが訴追不相当と却下されてきたことは全く承伏できない」 「当局がかくも怠慢で、犯罪を罰しようとしないなら、日本に信教の自由があるとは言えない」 「ジャーナリストは家族による強要行為の事例を調査し、もっと世間に率直にアピールして、問題に対する認知度を高め議論を深めるべきだ。マスメディアは問題を客観的に記録し公開すべきだ」 |
質問6-1
貴協会は、番組制作当時、上記に述べたように旧統一教会信者に対し累計4300人もの多数の拉致監禁を伴う強制脱会が行われていた事実について認識していましたか。
質問6-2
貴協会は、棄教目的による監禁行為が日本国内で多数発生した事実があるにも拘わらず、日本の警察・検察がこの問題解決のために積極的に対応しなかったことを踏まえ、国連人権NGO「国境なき人権」から日本に対してなされた上記勧告は妥当であると考えますか。そのように考える根拠と併せてお答えください。
質問6-3
旧統一教会信者に対しては、累計4300人もの拉致監禁被害が発生したとされているにも拘わらず、多くの主要メディアにおいて黙殺され、この問題を取り扱う報道がなされなかった現状があります。
仮に質問6-2に対して妥当であると考える場合、国連人権NGO「国境なき人権」の勧告にあるように、NHKは監禁を伴う強制棄教行為の事例を調査し、世間に発信することで、世間の問題に対する認知度を高め、議論を深めるべきではないでしょうか。
NHK放送ガイドライン2020(61頁)の規定の通り、NHKに「誠意ある対応」を求めますが、この点につき貴協会の現在の考えをお聞かせください。
前提事実7
番組「危険なささやき」の放送に当たっては事前に旧統一教会から以下の内容の抗議がありました。 「法人を名指ししたうえで、法人が詐欺行為によって信徒を入信させ、信徒たちの人生を狂わせているかのように決めつけており、当法人に対する誹謗中傷であり、当法人の徒に対する明らかな侮辱です。また変更前の「悪魔のささやき」というタイトルもすでに拡散されております。当法人の名誉を棄損したことに対し.謝罪することを強く要求します。」(参照:世界平和統一家庭連合からNHKへの抗議(2023年9月23日)http://ffwpu.jp/news/4783.html) 上記抗議の通り、変更前の番組名「悪魔のささやき」の番組名及び番組紹介は公表され、番組名の変更前に、複数の著名人によって同番組が紹介され広く拡散されることとなりました。 また、特定の宗教団体及びその信者を指して「悪魔」と差別的に揶揄する行為は、名誉毀損行為として民法上の不法行為に該当しうるのみならず、国際人権B規約第20条第2項「差別や敵意をもたらす宗教的憎悪の唱道」(宗教的ヘイトスピーチ)、NHK国内番組基準第1章第1項第2号「個人や団体の名誉を傷つけたり、信用をそこなうような放送はしない。」、同章第3項「宗教に関する放送は、信仰の自由を尊重し、公正に取り扱う。」、NHK放送ガイドライン2020(7頁)「…宗教…を差別的に扱ってはならない。」、同ガイドライン(8頁)「宗教上の行事やしきたりなどを戯画化したり、揶揄したりするような表現はしない」との抵触が問題となる行為です。 |
質問7-1
旧統一教会からの抗議に関連して、貴協会から、旧統一教会及びその信者に対しての謝罪はあったのでしょうか。
前提事実8
数々の偏向報道の影響によって、旧統一教会の信者の生活の平穏を脅かされる被害が多数発生しているとの情報があります。東京新聞2023年11月7日の記事(参照:「信者は2級市民のような扱い」旧統一教会の田中会長、18個の「被害」とうとうと1年ぶり会見https://www.tokyo-np.co.jp/article/288605)によれば、相次ぐ偏向報道により離職、離婚、さらには自死など、悲惨な状況に追い込まれた信者が存在していることが伝えられており、不登校や体調不良を訴える声も上がっています(このように偏向報道の影響によって旧統一教会信徒に生じている被害を、以下「本件被害」とします)。 |
質問8-1
貴協会は、番組制作当時、旧統一教会について発生している本件被害の存在を認識していましたか。
質問8-2
公共放送たる貴協会が、番組「危険なささやき」において旧統一教会を敢えて名指しして行った番組制作・放送行為は、客観的に見て、本件被害を助長し旧統一教会に対する憎悪を増長させかねないとの評価を免れないかと思われます。
貴協会は、本件被害の状況を踏まえた現在もなお、番組「危険なささやき」の制作・放送の過程に不適切な行為態様は一切なかったという認識でしょうか。
