人間と動物の違い
人間と動物は、どう違うのでしょうか。
私は、理性もさることながら、霊性の有無だと思っています。
人間が人間の命を奪えば、殺人罪だとして罰せられます。しかし人間が動物の命を奪っても、精々器物損壊罪です。同じ命なのに、どうして人間と動物は違う扱いなのでしょう。
人間は、食べるために家畜を飼い、殺して肉を食べます。鳥インフルエンザが流行すると、飼育者は泣く泣く何万羽のニワトリを殺処分します。しかし同じことを人間に対してやれば、大虐殺です。
もし、人間は知恵を持ち力があるから、弱肉強食の原則によって、そのようなことが可能なのだとしたら、それは他人や他国に対しても適用可能な原則となってしまいます。
事実、唯物論を唱える共産主義では、人間も物質に過ぎないとするため、共産主義の敵対勢力とみなした人々を、大量に殺害してきました。その数1億人とも言われます。
人間の特徴は、霊性を持ち、祈ることを知っていることだと思います。大いなるもの、神とか天とか言われる存在から、人間に対して特別な地位が与えられていると考えるのが自然です。人間の祈りとは、そうした存在に対する感謝と願いをするものであり、霊性を持たない動物は、祈りをしません。無宗教とおっしゃる方々も、正月にはお祝いをし、葬式では死者に手を合わせ、彼岸には先祖に花を手向けます。これは昔から人間がおこなってきた習慣で、広い意味での宗教的な行為です。
宗教は、その地域や国の文化を形作ってきたものであり、人間を人間たらしめるものであると、私は思います。