不可逆的なダメージ(2)
アビゲイル・シュライアー氏の著書「不可逆的なダメージ」の続きです。
Google翻訳に頼りながら、原書を読み込んでいます。
アメリカでは、公立の学校で、トランスジェンダー保護という名目で、性的違和感を持つ子供たち(特に女子が多い)を、セラピストに紹介し、性的転換治療を促す流れがあるそうです。この場合、親に言うと止められるので、学校は親に通知せず、子どもの意志のみでセラピーを受け、性的転換治療を受けることができるようです。
なぜこのようなことが起きるかと言えば、アメリカには「差別禁止法」の存在があり、その対象にLGBTが入っているため、親からの差別に子どもを守るという名目で行われるというわけです。
シュライアー氏は、親にも取材しています。ある母親は、思春期で「私は男の子だ」と主張する娘に困惑し、途方にくれます。ある父親は、自分の知らないうちに娘が男性ホルモンの投与治療を受け、それを学校が知らせてくれないことに憤りを感じています。
セラピストは、「私は男の子だ」と主張する女子に対して、「いいえ、あなたは女の子です」とは言いません。シュライアー氏は、それはまるで「私は体重が45kgもあって太っている」と主張する女子に、「そうね、あなたは太っているから肥満治療が必要ね」と言っているようなもので、とても危険であると言っています。
思春期の女子は、急激に体が変化し、そのことに違和感を感じます。そして、親や社会との距離感が大きく変化し、成人になってそれが落ち着きます。これは今に始まったことではなく、昔からあることです。
しかし、そこにSNSなどによって、LGBT活動家の影響を受けると、自分の体は男性であるべきだ、と思い込むようになると言います。思春期は、落ち込んだり、閉じこもったりしがちで、それは異常なことではありませんが、トランスジェンダーのコミュニティーに参加すると、男性ホルモン治療などによって男性的な女子を見ると、それに憧れるようになります。
問題は、性転換治療のリスクが正しく伝えられないか、保護者不在でそれを伝えられても、思春期の女子はそれを正しく判断することができないことです。男性ホルモン投与は、生殖器のみならず脳神経にも影響を与えます。がんのリスク増大も報告されており、投与をやめても不妊症になる恐れもあります。乳房切除手術は、後戻りができない手術です。やはり女性に戻りたいと思っても、乳房形成手術では本来の乳房を取り戻したことになりません。
まさに、「不可逆的なダメージ」なのです。