自民党の派閥解消

岸田首相は1月18日、政治資金規正法違反で岸田派の元会計責任者を立件する方針であることを踏まえ、岸田派を解散することを表明しました。その発言を受けて、安倍派、二階派も解散を決定し、派閥解消の流れが一気に加速しました。
自民党は、麻生氏、茂木氏がこれに反発し、党内が混乱に陥っています。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024012301162&g=pol

自民党は、何といっても日本の保守派の受け皿です。自民党は、LGBT理解増進法や、家庭連合の解散命令請求など、左翼的な勢力の要求に押される形で、リベラル的な施策を進めてきました。自民党の支持率はそれと共に下がり、日本保守党など、保守層を受け入れるような党も立ち上がりました。

しかし、与党である自民党が、本来の保守勢力の受け皿にならないと、日本の政治自体が、どんどん左翼的な方向に流れていきます。これは自民党のためではなく、日本の保守的な文化にとってよくないことです。

私はかつて自民党員でしたが、一昨年の自民党の家庭連合との断絶宣言以降、自然に非党員になりました。自民党の議員が更新手続きをしなければ、自動的に党員ではなくなるからです。しかし、それは大きな問題ではありません。問題なのは、自民党の支持率がどんどん下がって自壊の様相を呈しており、保守層が行き場を失いつつあることです。

そして、自民党の派閥には、いろいろな役割があったと思います。あれだけの大組織ですから、人材を育成することは大変です。自民党が政権を担う人材を輩出できるのは、党内の派閥という組織が新人議員を育てる役割をしていたのだと思いますし、派閥が政策を中心にして切磋琢磨してよりよいものを作り上げる、という機能もあったはずです。

政治資金規正法違反は、法令違反であることは論を待ちません。しかし、いきなり岸田首相の独断で派閥解消して組織の土台を揺るがしてしまうのではなく、きちんとした党内議論を行い、改善していくという方法はなかったのではないでしょうか。

 一昨年の家庭連合への対応と同じく、世論に迎合して本質を見誤るような危うさを岸田首相に対して感じるのは、私だけではないのではないかと思います。