海外で話題のトランスジェンダー本が日本で発売中止
2023年12月、翌月に発売予定だった、トランスジェンダーに関する翻訳書が発売中止になりました。
武蔵大学社会学部教授の千田有紀さんは「発売中止は、『知る権利』の侵害になりかねない。それに、こうした本を待ち望んでいたのは、性別違和に苦しむ当事者の子どもたちだったのではないか」と言っています。
https://president.jp/articles/-/77852
原書は、英国の『エコノミスト』、『ザ・タイム』、『サンデータイムス』でベスト本に選ばれ、10カ国もの国で翻訳されている話題の本だそうです。
しかし、本の内容は、思春期における「ジェンダー肯定医療」のあり方に一石を投じるものだと、千田氏は言います。多くの当事者、とくに親にインタビューをおこなったもので、通常のノンフィクション本です。
私も、原書を読みつつありますが、偏見となりそうな要素は極力排除し、主にヒアリングをもとにとりまとめています。「ジェンダー肯定医療」とは、主に男性ホルモン投与や、乳房切除手術です。男性ホルモン投与すれば、子宮がんや月経停止など、ホルモンバランスが崩れることによる様々なリスクがあります。乳房切除手術に至っては、原書のタイトル通り「不可逆な損傷」となり得ます。
もちろん、深刻な性同一性障害の方については、社会的にも配慮が必要なのは事実だと思います。しかし、本当は性同一性障害ではなく、青少年の孤独などの問題から、性的違和感を訴える思春期の女性に対して、積極的に性転換手術を勧めるのは問題です。欧米では既に社会問題化しており、この問題に対する認知度を、日本国内でも広げる必要があると思います。