宗教法人審議会議事録 不開示決定への審査請求(解散命令請求)

令和5年11月14日付で、第189回(令和5年10月12日開催)の宗教法人審議会の議事録請求を行いましたが、それに対して不開示とする決定通知書が、令和5年12月18日付にて私宛に送付されました。

第189回は、家庭連合の解散命令請求を審議し、盛山文部科学省大臣の会見によれば、全会一致で決定されました。
決定通知書には、これに対して行政不服審査法に基づいて文化庁長官に対して審査請求をすることができる旨記載あります。
私はこの決定に不服ですので、審査請求書を文化庁長官に対して送付しました。

以下に、その内容を掲載します。

①審査請求書
https://www.ogasawara-church.jp/wp-content/uploads/2024/01/268c4643931b4d33de3b479c7871d6bd.pdf

②添付書類
https://www.ogasawara-church.jp/wp-content/uploads/2024/01/692de778eff2752234eb1f4811504864-1.pdf

不服のポイントは、下記の通りです。

①議事録は、審議会の申合せにより非公開とされていますが、審議会議事録は「宗教法人審議会の議事等について(申合せ)」により原則公開されることとなっています。会長が必要と認めるときは、必要な期間、一部または全部を公開しないことができるに過ぎないのであり、このような決定をしたのであれば、その根拠及び理由は公開すべきである点

②家庭連合に関する個別具体的な内容が含まれていて、宗教活動の自由等に係る利益を害するおそれがあることを不開示の理由としているが、個別具体的な内容は匿名化・抽象化によって回避可能であり、むしろ解散命令請求により、東京新聞でも報道された通り、家庭連合信者は「差別的な被害」を受け、信仰そのものが難しくなると訴えており、既に宗教活動の自由が害されているのであるから、審議内容は公開すべきである点

③議事録を公開すると意思決定の中立性が不当に損なわれる恐れがあることを不開示の理由としているが、発言者の名前を匿名にするなど工夫の余地がある。
さらに産経新聞の報道によれば、審議会開催前に文化庁の担当者が委員の自宅などを訪問、審議会で「(教団に何もしなければ)内閣が飛んでしまう」などと合意形成を図ったとのこと。これは自ら審議会の「率直な意見の交換または意思決定の中立性を不当に損」なっているのであり、審議会の中立性を担保するためには、議事録を公開することは必須である点

④報告徴収・質問権の行使及び解散命令請求についての着眼点等を推知させる情報が含まれていることを不開示の理由としているが、質問権行使及び解散命令請求は実質的に行政処分であるから、行政手続法に定めるとおり、審査基準は公開すべきであり、議事録を非公開とする理由にならない点。

宗教法人審議会の審議は、憲法20条で定められた信教の自由に関わる重要な内容です。家庭連合の解散命令請求に至る一連の手続きは前例となり、今後他の宗教法人の解散命令請求の手続きにも大きな影響を及ぼすこととなります。

中立・公正な審議を担保するためにも、議事録は適切な方法で公開されるべきと考えます。