キング牧師と文鮮明師
アメリカの黒人公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング牧師と、統一運動の文鮮明師は、多くの共通点があります。
この本は、キング牧師と行動を共にした牧師たちが、文鮮明師の思想と活動に共鳴し、意見を述べたものを集めたものです。
キング牧師は、1963年8月28日、20万人が結集したワシントン大行進に際して、リンカーン記念堂の前で、有名な演説をしました。
「私には夢がある。いつの日にか、ジョージアの赤土の丘の上で、かつて奴隷であった者たちの子孫と、かつて奴隷主であった者たちの子孫が、兄弟として同じテーブルに向かい腰掛ける時が来るという夢が。
私には夢がある。いつの日か、私の四人の幼い子供たちが肌の色によってではなく、人となりそのものによって評価される国に住む日が来るという夢が。
もしアメリカが偉大な国であるなら、このことは実現されなければならない。」
アメリカは、今でも人種差別の問題を抱えていますが、当時はもっと大変な状況でした。黒人は劇場や飲食店で場所を制限され、選挙権もありません。キング牧師はその問題に立ち向かった人でした。それは非暴力という手段によるもので、多くの牧師たちや国民がそれに同調しました。キング牧師はノーベル平和賞を受賞しますが、白人主義者によって1968年に暗殺されます。
文鮮明師と統一運動は、アメリカでバッシングされていました。文鮮明師は、ムーニーと蔑称されながらも、すべての国籍、人種を一つに調和させる努力をして、性の乱れを質し、結婚と家庭の神聖性について人々に訴えました。それはアメリカ社会の風潮に逆行するものであり、人々の反感を買うものでした。差別主義と戦った多くの黒人牧師たちは投獄されましたが、文師も同様に投獄されました。しかし、1985年にダンベリー刑務所から出監したその日に開かれた信教の自由フォーラムには1700名の牧師がそこに参加し、宗派を超えてキリスト教が一つになるきっかけとなりました。
アメリカにおける自由は、ただ与えられたものではなく、心ある人々が立ち上がって勝ち取ったものです。
キング牧師も文鮮明師も、他界されましたが、勇気ある行動に心が打たれました。
