過料請求に対する意見陳述

家庭連合は、文部科学省から裁判所に関して提出された過料請求に関して、意見陳述書(以下、陳述書)を提出しました。

陳述書の意見は、①質問権の前提となる解散命令請求の「法令に違反して」という要件に民法709条の「不法行為」は含まれず、②仮に「不法行為」を要件としたとしても、関係ない質問に対する回答拒否を理由とする過料制裁は犯罪捜査のようであり違法、という2段階で構成されています。
堂々とした法的論拠だと思います。

①解散命令請求の要件に民法709条の「不法行為」は含まれない
解散命令請求の要件である「法令に違反して」の法令とは、「禁止規範」・「命令規範」であり、「不法行為」はこれに該当しません。
民法709条は、「不法行為」による損害賠償責任について定めていて、家庭連合に対する献金の返金訴訟等は、これを根拠としています。
この条文の趣旨は、被害者に生じた損害を金額に換算して、加害者にこれを賠償させ、被害者が被った不利益を補填する賠償責任です。これは刑法などの「禁止規範」・「命令規範」とは異なるもので、加害者に対する懲罰的な意味は含まれず、そもそも「民法第709条違反」なる概念は存在しません。

②関係ない質問に対する回答拒否を理由とする過料制裁は犯罪捜査のようであり違法
仮に解散命令請求の要件に民法上の不法行為を含めたとしても、それと関係ない質問に対しては、回答する必要がありません。質問権は、宗教法人法第78条の2第6項にて、「犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない」とされています。家庭連合は、外為法,税法,労働法等その他の法令に基づく業務を各関係省庁の監督下で適正に行っています。管轄外のことを質問し、回答しない場合に過料制裁を行うことは、犯罪捜査のようであり、違法なものであると言わざるを得ません。

その他にも、陳述書では、宗教法人審議会のあり方や、法令解釈変更による法的安定性の毀損など、いくつかの論点を主張しています。

岸田首相は、家庭連合の解散命令請求については、「法に基づいて」判断すると言っています。
文部科学省は、家庭連合の意見陳述書にもとづき、きちんと審議すべきと思います。