宗教学者と語る家庭連合の過去と現在と未来

毎日新聞が、「信者の人権を守る二世の会」が主催した、第4回目のシンポジウムについて、下記のように報じました。

政府が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令請求について詰めの作業に入る中、現役の2世信者でつくる「信者の人権を守る二世の会」が1日、東京都内で討論集会を開いた。参加した宗教学者の島田裕巳氏は「教団の自主解散」を提言し、「教団存続」を訴える信者側との討論は白熱した。
https://mainichi.jp/articles/20231001/k00/00m/040/128000c
共同通信社と世界日報も、シンポジウムについて報道しました。世界日報以外のマスメディアが、信者の会のシンポジウムを取り上げるのは初めてではないかと思います。

私も、現地で参加させて頂きました。以下、主なやり取りです。

島田氏:解散命令請求について、10月12日に宗教審議会で審議するという報道を見て、今までの認識を変えなければならない、家庭連合に対して相当深刻な事態だと思う。国は、岸田政権ではなく国家の威信をかけて、本気で解散させるという方針をかなり前の段階から決めていたようだ。岸田首相が、昨年解散命令請求の要件に民事も含めるという解釈変更を行って以来、文化庁宗務課の体制が8名から32名体制に強化され、1年かけて根拠を集めてきた。そこには相当な内容があるはずで、過料請求も含めて周到に解散命令請求の準備してきたと見るべきだ。

小嶌氏(二世):質問権は解散させるべきかどうかを判断するために行ったと考えていたが、そうではなく、解散ありきの質問権だったのか。

島田氏:その通り。家庭連合として今できることは、「自主解散」しかない。過去のことは一世に責任がある。ここまでくると世間の見方を変えるのは非常に難しい。

小嶌氏:過去問題だとされていること、例えば正体隠し伝道や強制的な高額献金は、現在全く行われていない。信仰生活をして、神との出会いや幸福な結婚生活をしているのに、なぜ今解散する必要があるのか、納得できない。

島田氏:宗教的な価値観と世間の価値観には違いがあり、生活より献金が重要であるとか、恋愛を禁止してまで一人の異性に縛ることに対して、世間の共感を得ることは難しい。

戸丸氏(二世):自分の親は献金もしたけれど、自分が白血病で闘病生活をした時に、最優先で治療費を出してくれた。私は親の宗教の犠牲になったとは思っていない。

新田氏(二世):解散命令の請求を検討するにあたって、信者の考えや意見を全く反映せずに、一方的に決めることはおかしい。

また、質疑応答では、元信者の二世が発言し、解散命令請求が出されれば、元信者も家庭連合に関わっていたとして社会から排除されるのではないかと恐れている、とコメントしました。

私は、家庭連合の選択肢として自主解散はありえないと思います。もし解散命令が出て解散することがあれば、それは日本の民主主義の在り方について問い直す契機になるはずです。事実、現在においても、他宗教の方やジャーナリスト、国内外の有識者から問題提起がなされています。しかし自主解散することは、この点をうやむやにしてしまい、同じような宗教迫害が、今度は他の宗教団体に対しても、また繰り返されることになります。

ただ、その点も含め、解散命令請求に関して、島田氏も二世の皆さんも、真剣に討議しました。このような場にパネリストとして参加した島田氏には深謝致しますし、毎回参加し今回は報道してくれたメディアの方々にも感謝いたします。
何より、勇気をもってこのようなシンポジウムを開催する二世の会の皆さんに、敬意を表します。