北九州市 家庭連合との関係断絶決議に対して損害賠償を請求する提訴(2)
自民党が主体となって提出した北九州市の家庭連合との関係断絶決議案に対しては、日本維新の会の篠原研治議員が、疑義を唱えています。
下記の趣旨です。
①旧統一教会について擁護する質疑ではないので、誤解のないよう願いたい。
②信者は市議会議員たちに市政相談しにくくなるのではないか
③悪意なく入っている人たちを軽蔑するような感じで関係を持たないのは問題ではないか。
④この決議案は法的な拘束はなく、あえて出さなくてよいのではないか。票集めのパフォーマンスで、世間が反対しているから反対しているようにも感じる。
篠原研治議員は、家庭連合を擁護する立場ではありませんが、一方的な関係断絶決議に対して違和感を感じ、繰り返し質問をしています。
それに対して共産党の山内涼成議員は、「反社会的な旧統一教会」と何回も繰り返し、時間切れになって、自民党の他の議案と一括採択されました。
正常な感覚での質問を、目的を持った発言により封じ込めた印象があります。
中立的な意見を尊重しない議会の在り方は、問題があると思います。
少し長いですが、篠原研治議員の質問に関する部分を、議事録から引用します。
(北九州市令和4年12月15日定例会議事録より)
https://ssp.kaigiroku.net/tenant/kitakyushu/MinuteView.html?council_id=763&schedule_id=6&minute_id=1&tab=plain
◆51番(篠原研治君) 日本維新の会の篠原研治です。提出されています議員提出議案第51号、反社会的な旧統一教会に関与しないことを確認する決議について質疑させていただきます。
まず初めに、旧統一教会について擁護する質疑ではありませんので、誤解のないようにお願いいたします。
現在、全国的に旧統一教会と政治家の癒着について大きな社会問題になっています。その中で提出されている決議案ですが、この決議案には、本議会は旧統一教会との間で行事への参加やメッセージなどの送付、会費の納付等の関係を一切持たないことをここに宣言すると書いてあります。
日本維新の会としては、支援団体、支援企業を一切持たない、しがらみのない政治活動というのをやっていますから、今後もこういう団体と付き合うつもりはないのですが、問題の本質は行事への参加ではなく、メッセージの送付ではなく、反社会的な団体に賛同する行為、お墨つきを与える行為ではないかと考えます。
例えば、行事に参加してスピーチを任されて、その反社会的な団体に賛同するような内容を述べるのは問題だと思います。ほかにも、スピーチを任されていなくても、団体をリスペクトするような行為が見られると、それは問題だと思います。行事への参加は必ずしも賛同を意味することではないとも考えます。これだけ社会問題になっているので、旧統一教会を政治家として調査しなければならない場合もあるかもしれません。どれだけの人が集まっているのか、どんな人たちが集まっているのか、どのようなことを中でやっているのかなど、調査を兼ねた接触や行事への参加も必要な場合があるかもしれません。メッセージの送付についても、祝電であれば問題があると思いますが、意見や抗議を含めたメッセージであれば問題はないのではないかと思います。
例えば、北九州の新しい施設が開館したとして、そこに式典などでよく行ったりしますが、必ずしも全て賛同しているから出席しているのではなく、どんな施設なのか、問題はないのか、無駄はないのか厳しい目線を持って参加している場合もあります。もし北九州の市議会議員がこのような調査を含めて関係を一切持たないとなると、旧統一教会の内情把握も難しくなり、反社会的な団体の暴走を止められなくなる可能性もあるかもしれません。このような参加にもいろいろな捉え方がある中で、決議案では行事への参加、メッセージなどの送付を内容にかかわらず関係を持たないことを宣言するというふうな内容になっています。
私は、宗教にあまりなじみがないので、この言い方が正しいかどうか分かりませんが、純粋に宗教を信仰していて、まだ抜け出せていない、世間から見られているような反社会的な団体だと気づけていない、北九州市民の信者がそこにいたとして、その方がこの決議案を知ったとき、私たちこの市議会議員たちに市政相談しにくくなるのではないかと懸念しています。
今回の決議案は、あくまでも団体との関係を持たないと書いており、個人との関係を持たないとは書いていないのですが、ただこの信者の方は相談しにくくなり、孤立するのではないかと考えます。SDGsの理念で誰一人取り残さないというフレーズがありますが、これはすごく難しいことだと思うので、僕は一言もこれを口にしたことはありませんが、議会の議事録を調べてみると、今ここにいる現職の議員の方たちで、過去に10人ほどの方たちが、誰一人取り残さない政治をと発言されています。この決議案はまだ抜け出せていない人を孤立させる、取り残すことを助長するかもしれません。
僕たちは、みんなで特定の団体と関係を持たないようにしようねと先に決めることよりも、被害者の人たちや、被害者にこれからなり得る人たちを北九州でどういうふうに未然に防いでいくか、どういうふうに増やさないようにしていくか、国でも議論はされていますが、僕たちはここ北九州で、これ以上被害を止めるためにはどうしたらいいか、それをこの議場で話し合うべきではないでしょうか。北九州市議会議員が統一教会との関係を絶ったとしても、問題は解決しません。
私は、そもそも特定の団体から特別な支援をもらったり、支援をしたりなどはこれからするつもりもありませんが、なので、この決議案に関してはおおむね賛成すると思いますが、簡単に質問だけさせてください。
1点目に、決議案にある行事への参加とメッセージなどの送付というのはどの範囲のことを指しているのか教えてください。
2点目に、この決議案が可決されることによってどのような影響があるか考えていますでしょうか、教えてください。
以上で第1質疑を終わります。
○議長(鷹木研一郎君) 46番 山内議員。
◆46番(山内涼成君) ありがとうございます。提出者を代表して私から答弁させていただきます。
本決議案は、現在では世界平和統一家庭連合と名称を変えております旧統一教会が行ってきた反社会的な活動について、本市議会として今後関係を一切持たないことを宣言するものであります。
旧統一教会は違法ないわゆる霊感商法による売買や多額の献金の強要、それから、集団結婚等で多くの被害者をつくり出してきたことは御承知のとおりであります。この問題に関しましては、政治家も選挙活動の支援やパーティー券購入等の見返りとして、旧統一教会が行うイベント、行事に出席をしたり祝電を送ったりすることで、旧統一教会の活動にお墨つきを与えてきました。現在、国においては文部科学省が宗教法人法に基づく質問権を行使し、解散命令の請求要件に該当するかどうかを調査しています。
また、先日法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律、いわゆる被害者救済法が成立したところです。今こそ本市議会としても、旧統一教会との間と一切の関係を持たないことを市民の皆さんに対して明確に宣言する必要があると考え、この決議案を提出したものであります。
御質問にありました決議案における調査目的の参加や、反対のメッセージも行わないという趣旨かということにつきましては、わざわざ調査のために旧統一教会の行事に参加したり、反対や批判のメッセージを送ったりすることは、市議会議員の活動としては一般的には想定されないと考えます。いずれにしろ、本決議案が可決された後は反社会的な旧統一教会の活動を助長することにならないよう、また、市民からそのような誤解を受けないように、各議員が北九州市民の信託を受けた市会議員として、自らの意思と政治信念によって主体的な判断で行動することになると考えております。
また、議員へ相談しにくくなるなどのマイナスの影響、これをどの程度考えているのかという御質問につきましては、この決議によって旧統一教会への相談をしにくくなるということは考えられません。むしろ本市議会の議員が旧統一教会への関わりを絶つという宣言をすることで、議員へ相談したいとの希望がある市民にとって、より相談しやすい、そしてまた、未然に防ぐという環境も整うということが考えられます。以上でございます。
○議長(鷹木研一郎君) 51番 篠原議員。
◆51番(篠原研治君) ありがとうございます。今最後に、相談しにくくなるということは考えられませんというようなことがあったんですが、それはどうしてでしょうか。
○議長(鷹木研一郎君) 46番 山内議員。
◆46番(山内涼成君) 社会的に、いわゆる反社と言われる旧統一教会に対して市議会議員が、これとは関わりを持たないという宣言をすることによって、じゃあ関わりのない議員とだったらこれを相談しようかなとか、それから、旧統一教会から救ってほしいという相談をしやすくなるというのは当然のことだと私は思っています。以上です。
○議長(鷹木研一郎君) 51番 篠原議員。
◆51番(篠原研治君) ありがとうございます。
関わりがないから相談しやすくなるという方もいるかもしれません。ただ、みんながそういうふうに思うわけではなく、やはり今どっぷりとこの反社会的な団体の中に洗脳して入っている人たちが、例えば子供がいて、その子供を小学校、中学校、市立中学校に通わせている、何か要望したいなというときに、この決議案、市議会議員の皆さんが関係を持たない、統一教会と関係を持たないというふうに宣言していることによって、関係を持たないんだ、自分は信者だけども、じゃあ市政相談はどこにしたらいいんだ、まず、そもそもの信者である前に、北九州市民なんですよね。その方がまず普通の生活での市政相談ができなくなるんではないかと懸念しています。どうでしょうか。
○議長(鷹木研一郎君) 46番 山内議員。
◆46番(山内涼成君) そもそもで言いますと、違法ないわゆる霊感商法による売買や多額の献金の強要を35年間やってきた団体であります。この団体に対して私たちは議員として関わらないんだという宣言をすることによって、市民の皆さんも、より相談をしやすくなる、そして、それに対して相談もしやすくなるし、救ってほしいと助けを求める声も救済できるんではないかと考えています。
○議長(鷹木研一郎君) 51番 篠原議員。
◆51番(篠原研治君) ありがとうございます。
だから、そういう考え方もある中で、統一教会から抜け出したいというふうな方の相談はそれでいいと思います。ただ、統一教会の中に信者で北九州に今現在住んでいる人もいる中で、そういう人が普通に市政相談、例えば僕たちのところに道路をどうにかしてほしいとか、ここの市道にどうにかしてほしいという相談があると思います。その相談をもしにくくなると思うんですよね。
この団体自体は僕もいい団体とは思っていません。今まで犯罪行為とかもいろいろあったというふうになっているので、それは僕は賛同はしていないですけども、ただ、その中には、暴力団と違うんです。暴力団というのは中に入る時点で、もうそういう悪いことをしようということが目的で入っているから。ただ、宗教というのは、だまされている、洗脳している、悪意のない人たちも中に紛れ込んでいるんです。みんなが悪意を持って、お金をだまし取ろうと思ってやっている人たちじゃなくて、悪意なく、中にだまされて入っている人たちをも僕たちは軽蔑するような感じで、関係を持たないでおこうとしていることが問題じゃないかなと思うんですが、それはいかがでしょうか。
○議長(鷹木研一郎君) 46番 山内議員。
◆46番(山内涼成君) 生活相談とは全く別の話だと思います。こういう反社会的な旧統一教会との関わりを持たないということと、思想信条の自由ということは全く別問題であろうと考えています。
○議長(鷹木研一郎君) 51番 篠原議員。
◆51番(篠原研治君) 僕たちは別問題だと区切っていますが、こういう決議案を僕たちが出すことによって、通すことによって、今純粋に中で信じている、洗脳され続けている人たちがこの決議案を見たらどう感じるでしょうかということを問うているんです。僕たちがどうこうよりも、その人たちがどうかというところが気になるんですけども、いかがでしょうか。
○議長(鷹木研一郎君) 46番 山内議員。
◆46番(山内涼成君) 議員のおっしゃることも分かりますけれども、議員としてどうするかという決議であると考えていますので、そこら辺の勘違いをなさらないようにお願いしたいんです。よろしくお願いします。
○議長(鷹木研一郎君) 51番 篠原議員。
◆51番(篠原研治君) この決議案というのは、法的な拘束とかないですし、皆さんでこうしていこうねというようなことだと思います。こうしていこうねという、これ何も拘束されることではないんですが、だったら出さなくていいんじゃないですか。これ皆さんなんかパフォーマンスというか、票集めのような形で、今世間がそっちに行っているから反対できないということで、反対しているようにも感じます。
これって、だから決議案を出す意味ないじゃないですか。誰か皆さん実際に関係を持ったところで、別にそれが罰則されるわけではないですし、これパフォーマンスのためじゃないかとも思うんですが、もっと解決するためにどうしようかという決議案を出すということにはならなかったんでしょうか。
○議長(鷹木研一郎君) 46番 山内議員。
◆46番(山内涼成君) いずれにしても、反社会的な旧統一教会との活動、議員として助長またはお墨つきを与えないという意味での関係を絶つという宣誓であります。よろしくお願いします。
△日程第46 請願・陳情の継続審査について
△日程第47 所管事務の継続調査について
△日程第48 会議録署名議員の指名
○議長(鷹木研一郎君) 篠原議員に申し上げます。時間がなくなりました。時間切れ。
以上で質疑は終わりました。