カルヴァン小論集

フランスの宗教改革者カルヴァン(1509年〜1564年)の著作です。マルチン・ルター、ツヴィングリなどと共に、腐敗したキリスト教会に警鐘を鳴らし、理性によりキリスト教を評価したことで、文芸復興と共に時代を変える宗教改革を進めました。たまさか本屋にあったので、買って読んでみました。

この本に収蔵されているのは、「聖晩餐について」、「聖遺物について」、「星占術への警告」の3編です。聖遺物とは、イエス・キリストの聖骸布とか、十字架の切れ端などです。いろいろなものが信仰の対象とされていますが、その信憑性は低く、キリストの本質から離れていると批判しています。星占術は、天体の現象から神の思し召しを読み取る術ですが、現代では全て天文学で説明ができるものばかりです。

今からすると当たり前のようなことも、当時発表することは大変なことであったと思います。しかし主張した内容は、その後のキリスト教の歴史に大きな影響を与えました。それは歴史に記録され、今私の手元にあって、読むことができるわけです。

正しいことは、批判を恐れずに、主張していくことが、歴史を推し進める力となると、改めて思いました。