解散命令請求と行政処分

宗教法人に対する解散命令請求については、宗教法人法にて、「裁判所は、宗教法人について左の各号の一に該当する事由があると認めたときは所轄庁、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、その解散を命ずることができる」と定められています。(宗教法人法第81条第1項)
さて、家庭連合に対して解散命令が請求された場合、解散を命じる主体は裁判所ですが、それを請求するのは所轄庁(文部科学大臣)であり、これは行政機関です。

解散命令請求に対する裁判は、訴訟事件ではなく非訟事件であるため、「決定」で行われます。裁判所は、行政機関が宗教法人を解散させようとするのを、認可しているに過ぎないとも言えます。つまり、家庭連合を実質的に解散させるのは、文部科学大臣であるわけです。

そうすると、解散命令請求そのものが、公権力の行使にあたり、行政処分と言えるのではないでしょうか。行政手続法には、「処分 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう」(行政手続法第2条第2項)と規定されています。

そして、行政処分に対しては、行政訴訟法により、行政訴訟が可能です。「行政事件訴訟とは、抗告訴訟、当事者訴訟、民衆訴訟及び機関訴訟をいう。抗告訴訟とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟をいう。」(行政訴訟法第2条、第3条)と定められています。
もしそうなら、文部科学大臣が解散命令の請求をした時点で、その処分に対して行政訴訟が可能なのではないでしょうか。

私は、弁護士ではないから、訴訟に関しては詳しくありません。しかし、訴訟の機会もなく、宗教法人が国家により一方的に解散されてしまうとすれば、これは大きな問題だと思います。この点については、専門家のご意見をお聞きしたいと思う次第です。