アベルとカイン

家庭連合の信者間で使われる言葉がいくつかありますが、反家庭連合派がよくとりあげる言葉に、アベルとカインというものがあります。

アベルとカインとは、旧約聖書に登場する、最初の人間であるアダムとイブの子で、兄がカインで弟がアベルです。カインとアベルは兄弟ですが、兄が弟に嫉妬してカインはアダムを殺してしまいます。有名な、最初の殺人の物語です。家庭連合では、より愛されたアベルは、愛されなかったカインを愛し、二人は一つにならなければならない、と説明します。

日本の家庭連合の中では、かつて、教会長のようなリーダーをアベル、私のような一般信者をカインと言ったりしていました。これは、通常の組織での上司と部下と、ほぼ同じ意味です。

反家庭連合派は、家庭連合の教義において、カインはアベルに絶対的に従わなければならず、反対は一切許されないと教えられている、と宣伝します。

私も40年信仰していますが、そんな教義はどこにもありません。一般論として、組織には上司と部下がいて、上司は部下に指示を出しますが、それは組織の目的を達成するために、お互いに合意のもとで行うものです。
家庭連合の中で、アベルとかカインとか言うのも、それと変わりません。私の所属する教会でも、教会長が提案することに対して、皆でいろいろ意見を言いますし、最後はみんなで納得して結論を出します。そして、決まったことについて受け入れるかどうかは各自の自由です。強制されるようなものではありません。

海外の家庭連合では、アベル・カインなどという言い方はしませんし、最近は日本でもそのような言い方はしなくなりました。反家庭連合派が、アベル・カインという言葉を指して、硬直的な組織であるようなイメージを展開するのは、印象操作でしかありません。