G7首脳 原爆資料館を訪問、慰霊碑に献花
主要国首脳会議(G7サミット)は19日、広島市の平和記念公園で開幕しました。G7首脳は、広島平和記念資料館を視察し、慰霊碑に献花しました。
私は広島には住んだことはありませんが、両親は広島出身なので、広島の原子爆弾には関心がありますし、原爆資料館も何回か訪れたことがあります。原子爆弾が投下された時、両親は広島市にいませんでしたが、母方の祖父は勤務先で被爆し、被爆手帳を持っており、白血病で亡くなりました。
原子爆弾に係わる根本的な問題は、人間が、科学の進歩は人類の幸福につながると過信したことだと思います。原子爆弾の開発者は、核分裂のもたらすエネルギーを手にすることに、心血を注ぎました。連合軍は、ほとんど空襲の被害のない場所として広島と長崎を選び、原子爆弾の影響を観測しました。原子爆弾は、爆発した後も、放射線被害により長い期間にわたって被爆者を苦しめ、命を奪います。その破壊力も然ることながら、とんでもない人体実験が行われたのです。
原子爆弾は、当時戦争を終了させるために有効だったと正当化する意見もありますが、それは誤っています。戦争を終了させたのは、国民を愛する昭和天皇のご聖断によるものであって、原子爆弾によるのではありません。
人類が幸福になるためには、人々がお互いに尊重し、愛するという、精神的な豊かさが必要であり、それを追求してきたのが宗教です。物質的な豊かさも、人類の幸福には必要なものであり、それを追求してきたのが科学ですが、科学への偏重は、却って人類に不幸をもたらします。原子爆弾がその典型例です。
宗教と科学は、車の両輪のように、相互に補完協力しながら、人類の幸福のために貢献するべきと思います。
G7をきっかけに、世界平和とはどのようにもたらされるべきか、改めて考えさせられました。