日韓首脳会談

日本の岸田首相と韓国の尹大統領が、首脳会談を行いました。歴史認識の相違や、2018年の韓国海軍レーザー照射問題など、両国間の間には課題が残っていますが、信頼関係が失われていた両国首脳の会談は、より良い未来への第一歩であると思います。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/kr/page1_001529.html

特に、外務省の公式ページの要点6の、安全保障の前進は、我が国の国益にも合致し、極めて重要と思います。

「6. 現下の地域における厳しい安全保障環境の下で戦略的連携を進めていく必要性についても意見を交わしました。北朝鮮への対応に関し、両首脳は、今朝の北朝鮮によるICBM級弾道ミサイル発射を強く非難した上で、こうした北朝鮮による最近の核・ミサイル活動の活発化を踏まえ、日米同盟及び韓米同盟の抑止力及び対処力を一層強化するとともに、日韓、そして日韓米の安保協力を推進していくことの重要性で一致しました。また、拉致問題については、尹大統領から改めて支持を得ました。」

これに対して、悔しく思っているのは中国です。中国政府の日韓首脳会談に対する反応を見ると、極めてネガティブです。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000298374.html

私の想像では、韓国内の左翼勢力や、文在寅前大統領に働きかけて、日韓関係をこじらせてきた背景に、中国共産党の勢力があったのではないかと思っています。離間の計は、中国の兵法の常套手段であって、三国志などでもおなじみです。日韓関係が損なわれると、誰が一番得をするのか、という観点で見れば、歴史上最悪と言われた日韓関係の背景に何があるのか、想像できてきます。

極東の勢力図を読めば、日韓米台の自由主義陣営と、中朝ロの覇権主義陣営のせめぎあいであるともいえます。中朝ロの理念的背景は、歴史的にも実質的にも共産主義的な全体主義です。今回の日韓首脳会談は、極東の安定化に向けて、大きな意義があると思います。