日本国憲法(1)

今日は憲法記念日です。日本国憲法が1947年に施行されてから、76年となります。この間、憲法は一文字も改正されずに今日まできました。現在国会で改正の討議がされていますが、中々進んでいないようです。
私は、憲法改正は必要だと思っています。今日と明日の2回に分けて、理由を述べます。

まずは、家庭保護条項の追加です。

日本国憲法には、家庭保護についての規定がありません。婚姻について、下記の条文となっています。
第二十四条
1. 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2. 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/dl-constitution.htm#3sho

一方で、1945年に採択された世界人権宣言では、家庭保護についての明確な規定があります。
第十六条
1. 成年の男女は、人権、国籍又は宗教によるいかなる制限をも受けることなく、婚姻し、かつ家庭をつくる権利を有する。成年の男女は、婚姻中及びその解消に際し、婚姻に関し平等の権利を有する。
2. 婚姻は、両当事者の自由かつ完全な合意によってのみ成立する。
3. 家庭は、社会の自然かつ基礎的な集団単位であって、社会及び国の保護を受ける権利を有する。
https://www.unic.or.jp/activities/humanrights/document/bill_of_rights/universal_declaration/

両方の条文を比べると、世界人権宣言の第十六条第3項が、日本国憲法では、ごそっと抜け落ちていることがわかります。
日本国憲法は、世界人権宣言の後に制定されています。基本的人権に関する条文は、ほとんど世界人権宣言から取り入れているにも関わらず、なぜ「家庭の保護」に関する条項が排除されたのでしょうか。

これは私の推測ですが、日本国憲法の原案を作成する過程で、戦争中の日本軍の強さの秘訣が、家庭と地域の絆の強さに起因するものであると、連合国が認識していたからだと思います。
日本の軍隊は、地域ごとに師団を作りました。戦場から逃げ出したり、和を乱すような行為は、故郷の恥となり家族に迷惑をかける、というような意識が兵隊にあり、戦力を高めたというのが、連合国の見立てです。だから、日本が二度と強力な武力を持たないようにするために、あえて「家庭保護」の条文をはずし、個人と個人をバラバラにするような憲法にしてしまったのです。ここには、当時の連合国に、左翼的な思想が入り込んでいたようにも思います。

日本国憲法を、世界人権宣言に則った、世界標準的なものとするためには、第二十四条に、下記の文言を追加するべきです。
「家庭は、社会の自然かつ基礎的な集団単位であって、社会及び国の保護を受ける権利を有する。」

そしてこれは、第一次安倍政権で、教育基本法第10条に記載した、下記の条文とも合致します。
第十条 
1. 父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする。
2. 国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。
https://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/about/mext_00003.html

家庭の保護は、我が国の在り方に係わる問題です。
社会の最小単位である家庭を守ることを、日本国憲法に、盛り込むべきだと思います。