立憲民主党のマインドコントロール思想

2023年1月5日より、「不当寄付勧誘防止法」が施行されています。家庭連合の信者による献金を念頭に、法人等が寄付を勧誘することに対し、一定の制限をかけるものですが、そのきっかけとなったのが、立憲民主党による、「悪質献金被害救済法案」(以下、法案と言います)です。

法案の骨子は、下記の通りです。
「悪質献金被害救済法案は、(1)いわゆるマインドコントロールや正体隠しによる献金等を特定財産損害誘導行為と定義し、(2)特定財産損害誘導行為を禁止、(3)特定財産損害誘導行為を行う者に対してその中止等を勧告・命令措置等を定め、(4)特定財産損害誘導行為による意思表示の取消し等に関する制度及び特別補助に関する制度を設け、(5)被害者等の保護に資する相談体制の整備等を定めることにより、特定財産損害誘導行為による被害の防止及び救済を図ること――等を目的としています。」
https://cdp-japan.jp/article/20221018_4675

特に問題なのは、マインドコントロールされた信者は、正常な判断ができないから、法律行為そのものができないように制限できるようにしている点です。
少し長いですが、法案の条文を引用します。

(特別補助開始の審判等)
第十一条  困難状況惹起行為を受け、自己の財産に著しい損害を生じさせる財産上の利益の供与を誘導されるような精神状態にある者又はそのような精神状態に陥るおそれが極めて高い者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、民法第十条に規定する後見人、同条に規定する後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、特別補助開始の審判をすることができる。
2  特別補助開始の審判を受けた者は、被特別補助人とし、これに特別補助人を付する。
3  家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被特別補助人、その親族若しくは特別補助人の請求により又は職権で、特別補助監督人を選任することができる。

(特別補助人の同意を要する旨の審判等)
第十二条  家庭裁判所は、前条第一項に規定する者又は特別補助人若しくは特別補助監督人の請求により、被特別補助人が次の各号のいずれにも該当する行為のうち特定の行為をするにはその特別補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。
一  民法第十三条第一項第二号から第五号まで及び第十号に掲げる行為
二  その相手方が特定財産損害誘導行為を行う者又はその関係者である行為(相手方のない法律行為又は利益供与事実行為であって、これらの者に財産上の利益を供与するものを含む。)
2 特別補助人の同意を得なければならない法律行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。
3 特別補助人の同意を得なければならない利益供与事実行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、当該利益供与事実行為に相当する法律行為の意思表示の取消しの例により、その財産上の利益を取り戻すことができる。
https://cdp-japan.jp/files/download/oo5C/IB9T/8ppR/zjpe/oo5CIB9T8ppRzjpeuTtdYPKU.pdf

民法には、制限行為能力者という規定があります。行為能力というのは、契約等を行う能力のことで、それを制限された者が、制限行為能力者です。例えば、未成年は単独で契約をすることはできますが、親権者による取り消しが可能です。
制限行為能力者には、未成年、被後見人、被保佐人、被補助人の4つの類型が民法に定められていて、制限の度合いが最も高いのが、被後見人(民法第7条)であり、後見人の同意があっても、法律行為を行うことはできません。制限の度合いが最も軽いのが被補助人(民法第15条)で、家庭裁判所が特定の法律行為に対して補助人に代理権を付与すると、補助人の同意なくしてその法律行為を行うことができません。

法案は、マインドコントロールを要件として、この補助人の審判ができるようにするものです。
民法の被補助人と、法案の被特別補助人の違いは下記2点です。
1. 被補助人の審判の開始では、第三者による請求による場合は本人の同意が必要であるが、被特別補助人の場合はその規定がない。
2. 被補助人が補助人の同意を要する法律行為は、民法第13条第1項で定められるものに限定されるが、被特別補助人は特定財産損害誘導行為であれば何でも含まれる。

例えば、私のような家庭連合の信者が、通常の社会生活をしているにも関わらず、私以外の誰かが家庭裁判所に特別補助人の審判を請求すれば、私の意思は関係なく審判が開始され、私の献金などの宗教的行為は制限されるわけです。

これは、とんでもない人権侵害の法案です。最終的には、「不当寄付勧誘防止法」には、このような規定は盛り込まれませんでしたが、立憲民主党は、最後までマインドコントロールを要件とする行為能力の制限に拘っていました。
恐るべき人権侵害思想であると言わざるを得ません。