恋愛禁止について

家庭連合の、「恋愛禁止」というのは、二世に対する人権侵害ではないか、という意見があります。

二世の子を持つ親として意見を言えば、私たちが子に伝えたいメッセージは、「性というのはとても尊いものだから、大切にしてね」、ということです。
新しい命を授かるための行為だから、安易に扱ったり、ましてやお金で売買するのではなく、大事にして欲しいのです。
この考え方は、何も家庭連合の専売特許ではなく、日本の伝統的な家庭観、価値観に通じるものがあると思っています。

しかし、子には子の考えや思いがあるから、それを強制することはできません。
私たちにできることと言えば、夫婦が本当に仲良くして、「こんな夫婦になりたいな」と子に思ってもらえるよう、自分たちが努力すること位です。だから、私たち夫婦は、最低限、絶対に不倫はしないと誓っています。

そして、子がどんな結論を出そうとも、親として応援したいと思っています。
子が教会に来るとか来ないとか、恋愛をするとかしないとか、そんなことよりも大切なのは、この子が自分たち夫婦のところに、生まれてきてくれた、という事実だと思います。

私も、3年ほど、学生部長というのをやりました。中学生、高校生の二世を、指導する役割です。私自身にも、5人の子がいます。二世たちは、教会に来る子、来ない子、それぞれです。高校卒業まで、あんなに教会で頑張っていたのに、卒業と同時に、教会とは縁を切るという二世も、たくさんいました。子のことで悩まない親はいない、というのが、率直な思いです。

そういう経験の中で、私として思うことは、大事なのは親子の信頼関係だ、ということです。そして、子にとって、家庭が、「ここは、私がいていい場所なんだ」と思えることが、何より重要です。

家庭連合では、神と人間は親子の関係と同じだ、と言っています。神が人間を見つめる心情や切ない思いについて、子を通して親はそれを知り、子は親を通してそれを知ることができると、私は信じています。

教会内外の第三者が、個別の親子の関係を一般問題化して、「人権侵害」だとか、「愛が足りない」だとか、あれこれ意見をするのではなく、周囲の人々は、親子が平穏な環境で話ができるよう、見守ってあげることが大切なんじゃないでしょうか。