拉致監禁

家庭連合の信者が、暴力的に身体拘束され、密室に監禁されて、強制脱会を迫られる、拉致監禁事件が、1966年以降、4300件以上発生しています。
https://kidnapping.jp/paper/090627.html
本書は、拉致監禁問題が、どのような背景で、誰によって行われているか、被害者の証言も含め、具体的に指摘しています。

拉致監禁を実行するのは、信者の両親や親戚ですが、背後には棄教を指南する反対牧師や弁護士などがおり、棄教のための綿密な計画書を作成して、両親を指導します。
信者の多くは、諦めて脱会するか、脱出して教会に戻っていますが、例外なく心に傷を負い、親子の関係も引き裂かれてしまいます。

私自身も、両親からは相当反対されました。それは今でも続いています。学生時代に、両親が会ってほしいと言うので、私は、この本に登場する、A教授やW牧師にも会いました。
しかし、私の両親は、拉致監禁には、手を出しませんでした。
両親が、拉致監禁という手段をとらなかったのは、それはおかしいと思ったからだそうです。私は、その点感謝しています。もし拉致監禁をされても、多分私は改宗しなかったと思うけれども、親子の関係は断絶してしまったでしょう。
親と話をすると、いつも平行線になってしまうけれど、私は諦めずに会話をしています。父親は10年前に他界しましたが、私は年3回の墓参りを、欠かしたことはありません。お互いに考えは違うけれども、親子という大事な関係は、大切にしているつもりです。

拉致監禁は、信教の自由の問題という以前に、暴力であり、犯罪です。それは、刑法220条に規定する、逮捕監禁罪に当たります。
実行した両親や親族のみならず、共謀した反対牧師や弁護士らも、同罪となります。
警察は、「親子の問題」を逆手にとって、事件を放置してしまいます。その結果、4300人という、とんでもない数の被害者がでてしまいました。
被害というのは、心身の傷もそうですが、拉致監禁によって、大切な親子の絆が、ずたずたに切り裂かれてしまうのです。
例え拉致監禁によって子が離教したとしても、親子の関係は壊れてしまいます。子供が親元に戻ったとしても、それは表面上のことであって、信頼関係は回復できません。
これ以上の悲劇が、他にあるでしょうか。

拉致監禁に関わっているのが、全国霊感商法対策協議会などに属する牧師や、それと連携する全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)です。(本書P130 - 132)
全国霊感商法対策協議会の会員によって拉致監禁された信者が、全国霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士を紹介され、家庭連合に対する裁判の原告になったり、証人になったりしています。

政府が主催する、「霊感商法等の悪質商法への対策検討会」に、このような団体の会員が委員として参加しています。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/meeting_materials/assets/consumer_policy_cms107_220901_12.pdf
これは、深刻な人権侵害問題を看過するものであり、政府は、このような拉致監禁問題に対して、どう考えるのか、見解を出すべきです。

現代の日本において、このような犯罪行為が放置されていることは、大きな問題です。被害者が被っている心の傷や、家庭の破壊による損害は、計り知れません。
家庭連合が大きくクローズアップされている今こそ、マスメディアはこの問題を取り上げるべきではないでしょうか。