宗教法人解散のもたらすもの

家庭連合に対する解散請求が、政府により行われようとしています。

これについて、解散しても単に法人格がなくなるだけで、団体としては残る、という意見があります。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71753

果たして、宗教法人が解散された場合、団体は残され、信者は今まで通り、信仰を続けることができるのでしょうか。そして、信教の自由は、問題なく保たれるのでしょうか。
答えは両方ともNoです。

法人の解散とは、軽いものではありません。法人は、自然人と同様、独立した権利・義務を持っています。人間が生きる権利を持っているように、法人も存続する権利を持っています。その権利を奪うということは、人間に対する死刑執行にも等しいことなのです。

宗教法人法が解散された場合、宗教法人法(以下、法)には、解散後の清算についての規定があり、下記の手続きとなります。

①宗教法人は、清算法人となり、登記簿にその旨登記され(法第81条第6項)、代表は解任されて清算人が選任され(法49条)、宗教活動は全て結了する。(法第49条の2第1項)。
②債権に対して財産が不足する場合は、清算人は破産手続きを行う。(法49条の5)
③賃貸借契約は解除、所有する土地・建物は売却、職員は全員解雇される。
④清算法人は、債務の弁済を行う。(法第49条の2第2項)。
⑤債務の弁済が完了したら、清算決了の登記を行い、宗教法人は消滅する。(法58条)

つまり、解散されると、私たち信者が集う教会施設はなくなり、職員は、教会長などを含め、全員職を失います。新たな宗教団体を作ったとしても、教会がそこに移管されるわけではなく、今の教会は、一旦更地にされます。
数万人の信者が魂の拠り所を奪われ、多くの職員が路頭に迷うのです。
家庭連合に反対する人々は喝采して喜ぶのでしょうが、信者は心身ともに大きな痛手を負います。

そのような重要なことが、世論や行政の一方的な判断で行われ、全体主義国家のようなことが、日本で起きることは、日本のためになるのでしょうか。そしてそれを、世界はどう見るでしょうか。