安倍晋三元首相 UPF国際会議での演説
2021年9月12日に韓国で行われた、国連NGOである、UPF (Universal Peace Federation)が主催する国際会議「Thinktank 2022」での、安倍晋三元首相の演説(ビデオメッセージ)が、YoutubeにUPされていました。
政治家としての、高い理念を掲げた、格調高い、素晴らしい内容です。
安部元首相を偲びながら、語られた全ての言葉を書き写しました。
この演説が、安倍元首相が命を奪われるきっかけになってしまったことは、慙愧に堪えません。
書き写しながら、涙が止まりませんでした。
ご出席の皆様、日本国前内閣総理大臣の、安倍晋三です。UPFの主催のもと、より良い世界実現のための対話と諸問題の平和的解決のために、およそ150か国の国家首脳、国会議員、宗教指導者が集う希望前進大会で、世界平和を共にけん引してきた盟友のトランプ大統領とともに、演説機会を頂いたことを光栄に思います。
特にこの度出帆したThinktank2022の果たす役割は、大きなものであると期待しております。今日に至るまでUPFとともに世界各地の紛争の解決、とりわけ朝鮮半島の平和的統一に向けて努力されてきた韓鶴子総裁をはじめ皆様に敬意を表します。
さて、いまだ収束の見えないコロナ禍のなかではありますが、特別な歴史的意味を持つこととなった、東京オリンピック・パラリンピック大会を、多くの感動とともに無事閉幕することができました。ご支援頂いた世界中の人々に感謝したいと思います。
史上初の1年延期 選手村以外外出禁止、無観客等、数々の困難を越え、開催できたアスリートの姿は、世界中の人々に雪と感動を与え、未来への灯をともすことができたと思います。
そしてイデオロギー、宗教、民族、国家、人種の違いを越えて、感動を共有できたことは、世界中の人々が、人間としての絆を再認識する契機になったと信じます。
コロナ禍に覆われる世界で、不安が人々の心を覆いつつあります。全体主義国家と民主主義国家の優位性が比較される異常事態となっております。人間としての絆は、強制されて作られるべきではありません。感動と共感は、自発的なものであります。人と人との絆は、自由と民主主義の原則によって、支えられなければならないと信じます。一部の国が全体主義、覇権主義国家が、力による現状変更を行おうとする策動を、阻止しなければなりません。
私は、自由で開かれたインド太平洋の実現を、継続的に訴え続けました。そして今や、米国の戦略となり、欧州を含めた世界の戦略となりました。自由で開かれたインド太平洋戦略にとって、台湾海峡の平和と安定の維持は必須要件です。日本、米国、台湾、韓国など、自由と民主主義を共有する国々のさらなる結束が、求められています。
UPFの平和ビジョンにおいて、家庭の価値を強調する点を、高く評価いたします。世界人権宣言にあるように、家庭は社会の自然かつ基礎的集団単位としての普遍的価値を持っております。偏った価値観を社会革命運動として展開する動きに警戒しましょう。
いつの時代も、理想に向かう情熱が、歴史を動かしてきました。理想の前には、常に壁があります。よって戦いがあるのです。情熱を持って戦う人が、歴史を動かしてきました。
自由と民主主義を共有する国々の団結、台湾海峡の平和と安定の維持、そして朝鮮半島の平和的統一の実現を成し遂げるためには、とてつもない情熱を持った人々によるリーダーシップが必要です。
この希望前進大会が、大きな力を与えてくれると確信いたします。
ありがとうございました。