債権者代位権

家庭連合に関連した救済法案が、国会で審議されています。献金に対する取消権を、親族などの第三者が行使するための法的な構成として、債権者代位権を適用するというのが、一つの骨子です。

債権者代位権とは、民法423条に定められたもので、債権者が「自己の債権を保全するため必要があるとき」に、「債務者に属する権利」を行使することができる、とするものです。つまり、献金を行った本人に代わり、本人が生活費や養育費などの扶養義務をもつ配偶者や子供たちなどの被扶養者が、債権者として本人に代位して献金を取り消すことができる、というものです。

債権者代位権を認めるということは、債務者の財産処分権を制限することになりますから、債務者が無資力であること、弁済期が到来していること、一身専属的な債権には適用できなこととされています。また、家庭連合の信者の献金により被害者がいるならば、それは救済されるべきですが、一方献金は信仰に基づく行為であるかぎり、それを制限することは信仰の自由を侵害する恐れがあります。

一方的な法律適用により、献金を行った信者の基本的人権を侵害することがないよう、慎重な議論が必要であると思います。