旧約聖書(18) ヨブ記

ヨブは、神に忠実で、財産も健康を備えた、立派な人物です。ここで、神とサタンが議論します。サタン曰く、人類は罪ばかりを冒すもので、神とは似ても似つかない存在であると。神曰く、ヨブを見よ、神と似た、正しい人であると。

サタンは反論します、ヨブは財産も健康もあるから、神を信じているが、それらを奪ってしまえば、神に反逆するであろうと。

神は、それなら、財産も健康も奪ってみよ、ヨブがそれでも正しい信仰を保つのであれば、神が正しいことが証明されるであろうと。

サタンは、ヨブから財産も健康も奪ってしまいます。ヨブは自分の身に起きた事実を受け止めきれず、神に不信の言葉を言います。それを慰めようとした友も、言葉を失ってしまいます。その時神が、ヨブに対して戒めの言葉を与えます。ヨブはその言葉を受け止め、自らの過ちを認めて、悔い改めます。その結果、神の正しいことが証明され、サタンはヨブに手出しをすることができなくなる、という物語です。

おそらく、ヨブは実在の人物ではありません。エステル記までは、事実かどうかはともかく、歴史上の人物が登場するので、年代がわかります。ヨブ記にはそれがありませんから、想像上の人物でしょう。しかし、神の創造、人間の罪、悔い改めによる救いという、宗教の基本的な構図が描かれています。とても象徴的な文書だと思います。