古事記(下)
仁徳天皇から、推古天皇までの天皇の系譜が記録されています。推古天皇は初めての女帝であり、聖徳大使によって、十七条憲法や仏教の普及など、新しい政治の制度が取り入れられました。ここで、古事記は終わっています。
古事記は、天武天皇の命令で、稗田阿礼が編纂を始め、太安万侶によって完成されたものだそうです。解説によれば、日本の統治において、神話は非常に重要であり、天照大御神やスサノヲノ命など、元々は別の神話の神々が、姉弟のようにまとめられるなど、神話を統合することで、権威を高めるようなことになっているとのこと。かつて絶対権力を誇った天皇家が、古事記や日本書紀という歴史書を整備して、今日に至るまで日本の精神的な支柱として読み継がれているというのは、栄枯盛衰を常としている世界にあって、他の国にはないことのように思われ、貴重な文書であると思います。