方法序説

17世紀の哲学者 デカルトの著書です。「我思う ゆえに我あり」とは、有名な言葉です。一度も読んだことがなかったので、読んでみました。

方法序説は、文庫本で100ページ位の、簡潔な本です。しかし、近世の、ものの考え方を提示した、重要なものなのだそうです。全部で6部からなり、上記の句は第4部にあります。

「我思う ゆえに我あり」とは、既存の観念を含めた全てのことを疑うことから始めた結果、疑うことができない事実があり、それは、こうして疑っている自分がいるということです。

デカルトはそこから出発して、「このわたし、すなわち、わたしを今いま存在するものにしている魂は、身体からまったく区別され」ていると言っています。さらには、わたしが疑っていることは、自分が完全ではないということであって、「それは、現実にわたしより完全なある本性から学んだに違いない」と言っていて、それを「神である本性」と言っているのです。

神は、現代ではもっぱら宗教の守備範囲となっているようですが、近代哲学の原点とも言えるこの本では、真理探究の重要な要素となっていることは、注目に値すると思います。