内村鑑三
明治初期に、日本で活躍した人物である、内村鑑三についての本を読みました。札幌農学校で、同志社大学の創始者である新渡戸稲造とともにキリスト教徒となり、有島武郎や小山内薫など、多くの人に影響を与えた人物です。明治維新後、多くの外国人が来日し、キリスト教を広めましたが、西洋文化の一つとしてのキリスト教を、高い精神性を持って初めて世に知らしめた点、記憶すべき人物なのだと思います。
日本人は無宗教と言われますが、大いなるものを畏れ、先祖を敬い、亡くなった人を愛おしむ点で、広い意味で日本人は宗教性が高いと言えるのではないでしょうか。
結婚式では神仏に永遠を誓い、死者を弔うにあたっては霊を悼み、盆や彼岸には墓参りをする、というのは、単なる習慣ではなく、日本の文化そのものと思います。
文化の発展において、宗教性というのは忘れることができない要素であるとすれば、内村鑑三のような人物は注目してよいのではないかと思います。